天国への誘い           
今回は、結婚して20数年、一度も夫婦としての交わりが無い

と云う、地獄の淵に落されていた50代の女性(ご相談者)を取り上げてみた。




 

今回も、ご相談者を地獄の淵から天国の入り口まで引き上げた時の、魂の苦悩と喜びを記す。



では、漆黒の闇、地獄の淵からの一問一答。


「おい、アエグオンナ(仮名)入って来い、アエグオンナ入って来い」

と呼ぶと直ぐに私の中にナニカが入って来た。

「お前はアエグオンナか?」

と聴くが、なぜか頭を下げている。

更に聞くと

「はい、アエグです」

と云う。

私の中に入ってきたのは間違いなくアエグオンナのようだ。

「お前はなぜそのように頭を下げているのだ」

「あ、頭さげていないと怖いのです」

「何がそんなに怖いのだ?」

「ここは目を開けてみると怖いんです」

「そこはどのようなところだ」

「ここは、やや、山の中、もう臭くて臭くて、もうなんか血の匂いと云うか、獣の匂いと云うか、ナンかへんなモノがうようよしているのでございます」

「そこにナニがいるのだ、何か視えるのか」

「み、視えるというより、ここはやみ、真っ暗な闇の中で、ああ、足元にはヒルのようなモノがザワザワ這って、顔にも、私の顔にも這っているのでございます」

やはりここも血の海地獄のようだ。

「顔に這っていればお前が自分の手で除ければいいだろう」

「そ、それが・・・体が云うことを聞かないのです。だから手が動かせないのです・・・足が、足が気持が悪くても動かせないのでございます」

手も後ろで縛られているのだ。

「そこにはどのようなモノが居ると思うのだ」

「ど、どんな、と云うよりも、もう真っ暗闇で、く、空気が冷たく肌になにか冷たいものが当たるんです。ナニカわかりません。ただ血の匂いが凄くて・・・木、木はいっぱいあるような感じですが、なんかその一本一本の木が全部化け物のような感じで、もう怖くて怖くて目を開ける事ができません・・・私こんなところに、こんなとことろに入ってしまって、殺された恨み?不安で不安でしょうがありません」

「今お前にはナニカ憑いているか?」

「いま?今はなんかあっ、さっきまでけ、毛だらけのおおーきな、おおーきなモノが私の、の、喉元に噛み付いておりました。あーっ、今も喉元がヒリヒリしております・・・そ、それが突然居なくなったのでございます」

私が大声で怒鳴り一時的に離している。

「毛だらけのモノとは動物のようなものか?」

「どど、動物と云うか、な、なんと云うか・・・なにしろ臭くて臭くて獣のようでもあるのですが、なんか獣のようでもない?こ、この世のものとは想えません・・・あっ気持が悪くて、まだナンカそこにバタバタして、なんか後ろからもバタバタザワザワ、また私ナンカにとり憑かれそうで怖いんです・・・わわ、わたしなんとか助けて頂けないでしょうか?」

「ではお前がそこまで苦しんでいるのなら助けてやろう」

「わわっ、あっ、ありがたき・・・どうか、目が開けられなくて、もう顔が痒くて痒くて・・・あーっ気持が悪くてかゆいの、か痒くても掻く事もできない、ああーっ足も痒くて足にナンカ這っております。気持が気持が・・・」

   

ご相談者ご自身のお顔、足にも原因不明の湿疹ができていると云う。

足は以前病院で見て頂いたところ、下肢静脈瘤と診断されたと云う。

この病気にかかると足が痒くなると云うのだ。

魂の受けた痒みが直接肉体にも影響を及ぼしていたのである。

 「よし分かった今から上げてやる、待っておれ、今そこに居るのか?」

化け物が離れた隙に上にあげる。

「ああっ気持が・・・吐き気がする・・・ちの匂い、血の匂い・・・人間を焼いているような匂い・・・ああっもう、なんもかんも匂いが混ざって、私の体がもう、臭くて臭くて、あーっ私を早く助けてくださいませ、助けてくださいませ!」

「よし待っておれ、お前は今は立っているのか、座っているのか?」

「ここ、ここは座る事はできません・・・ずーっと首を吊るされたような感じでぶら下がっているだけでございます」

やはりな。

「なに、ぶら下がっているのか?」

今回のご相談者の魂も地獄の淵で屯する体中毛だらけの化け物の餌食になっていた。

が、この毛だらけの化け物も最終的には退治し地獄の淵から助け上げたのである。

だが、これ等の化け物以外にも、大入道など、まるでお伽の国から飛び出たような化け物がウヨウヨと巣窟にはいるのだ。

地獄からの救出には、このような化け物を全て除けてから行われる。

故に、此処に落とされた魂は最終的には化け物の餌食となるのである。

首を吊られぶら下がっているだけ、と云う事は、絞首刑の状態と同じなのだ。

 もし、このまま死が訪れれば即地獄に落とされると言う事だ。

が、間一髪、間に合った。

   

そして、地獄からの引き揚げ作業に入る。

 

ソファーを立ち、両手を左右に大きく広げ、前とは少し変った動きになる。

 

この動きをする事で、向こう側では首を吊られ地獄の淵に落とされているアエギオンナを一瞬のうちに引き上げるのだ。

 

この体操のような一連の動きは僅か数分で終わる。

そして、一旦ソファーに腰を下ろす。  

今度はソファーでまた同じように上半身を動かす。

それは、下から上に何かを引き上げるような両手の動作だ。



 

すると

「タタ、タスケテーー・・・ウッ、グワッ!!!」

と奇妙な声?を発する。

 

多分、引き上げるときのショックでめまいでも起こしたのだろう。

がかまわず続けていると、再び

「タスケテ、タスケーテー、タスケテー、ウワーッ、ーアアーッ タ、タタアーッ、アーツ、アア、アッ、タタタス・・・アアーッうわーっくくくるしーーアアッアーッ・・・・ー」

と凄い声。

相当激しい衝撃を受けたようだ。

それもそうだろう、天界まで引き上げたのだ。

そして着いたのか?

「・・・あらっここは、ここはどこでしょうか?」

 と初めて視る景色に戸惑っている。

 

箱のない、超高速エレベーターに乗り一瞬で数百メートル急上昇したようなものなのだ。

 

「そこには何が視えるのだ」

「な、なにが視えるか?目を開けられない、、、、」

「目を開けてみよ」

「うわーっ目を開けても大丈夫ですか?」

「目を開けてみよ、もう足にも顔にも何も感じないだろう」

「ヒエエッーー、かか、顔はスッキリああ、足も・・・め、目をあけても大丈夫ですか?」

「目を開けてみよ」

「ヒイエエ〜、エッ!あらっここ、ここはどこですか?」

「うん、お前の周りには何が視えるのだ」

「ななな、なにが視えると云うより、なんか凄いここはキレーイ!うわーっ!ははは、はてしなく、あ青空がどこまでも・・・す、すき通っております・・・うわーっここはすごい!!きき、きれい!わ、私夢をみてる、夢を視ているんでしょうか?」

「夢ではないのじゃ、今お前が現実に着いたところじゃ良く視てみろ、周りに何があるのだ」

「うわわっ、分かりました・・・ああっすっごいきれ〜い、空がすきとおって、雲が全くありません・・・あああっすごい!ああ足元には.....何かこの花は?みたことがないような小さな花が、小さな花がいっぱいでございます」

「どんな花だ、それは?人間界の花に例えれば」

「人間界の花に例える?たとえようがないんです。しいて言えばレンゲの黄色い花のような、そんな小さな花がいっぱい、ずーっとづーっと連なっております・・・うわーっ綺麗〜!あっちょう、蝶、蝶が飛んでる。ちょうちょ、ちょうちょが飛んでる」

「ちょうちょうが飛んでいるのか?そこに」

「ちょうちょが飛んでいる、ちょうちょが飛んでいる、ああっむこうに、向こうに、人間が、にんげんが歩いております」

「どのような人間だ」

「ど、どんな人間?よ、よくみてみます。うわーっ、うわーっきれい!綺麗、豪華な豪華なドレスのようなものを着た・・・あああっ、あれは、男の方と女の方が、てて、手を繋いで、あ歩いて、わっ何人もが、あ歩いてみんなを繋いで丸くなって、なんかダンスのような・・・しております。あっす、凄い!すごいすご〜い!ああ、頭には、この足元に生えている花を、花を巻いて飾っております・・・ああっ!お、男の人はその花を首に巻いて、みんなにこにこにこにこしております」

「そうか、その他には何か視えないか」

「その他?あっ踊ってない方は、なにか目?上に手を当てて、なにか?視ています。そして、あっやはり、どこまで視てもお花だらけで、お花畑でございます。あっそこのお花畑でねっころがっている人がおります。あっなんか寝て、寝て手を頭の上に、額のところに手を丸くして、なにかを視ております」

「お前も同じように手を額に当てて真似をしてみよ」

「ま、まねをしても宜しいんでしょうか?て、手が動くし」

これまで地獄に居るときは手は動かなかった」

「手が動くのならお前もやってみよ」

「わ、分かりました・・・あっ、あらっここは、あらっここは、あらっここは何か部屋みたいです。あっ前に居るのはあ、あなた様ですか?」

「そうじゃなぜ我と分かったのじゃ」

「い、いえっあなた様、光っておられますから、私があの、や闇夜の中に居たとき光が・・・その方が話しかけて、その声とそっくりでございます」

「そうじゃ、お前は、今自分の額(人間界)から視ているのじゃ」

手を丸くして額に当てると人間界が視えるのだ。

「ええっ私の額から?あああなた様みているのでございますか?」

「そうじゃ、この部屋はどのように感じる」

「どの部屋?こ、この部屋と云うより あなた様の周りは、キンキラキンキラ光って、もう物凄く明るく、この部屋もなんか、も、もう物凄く豪華な、豪華な感じがいたします」

 

豪華な部屋と云うが普通にソファーを置いているだけ

「そうか、ではもう一度手を当てて周りを落ち着いてみるがいい」

「ははい、やっぱしみんなにこにこして踊って、そしてちょうちょ、ちょうちょがいっぱい、そして小さな子供もおります。小さな子供も物凄くはしゃいで、ここはわりと暖かいので、ここはもう明るくて明るくて、小さな子子供がなんか下にある水溜りの水を手ですくって飲んでおります」

「そうか水溜りの水を飲んでいるのか」

「その水は綺麗なのか?」

「綺麗と云うより、ここが違う世界の感じ、もう全てが綺麗で、わ私、わたしここに居ってもいいのでしょうか?」

「そうじゃ我がそこに上げたのじゃ、だからそこに居ってもいいのじゃ」

「ああっ、ありがたき、有り難き幸せにぞんじます。わ、私ずーっと周りを視ているとなんか、頭の上に、ほ、細い紐が、細い紐が繋がって下に下がっております」

「そうじゃ、お前があがっているからだ」

下にさがる細い紐とは先祖へと繋がっている。

本来なら上に伸びているのだがご相談者が天国にあがった為、先祖が下になったのである。

「えっ私があがっている?」

「そうだ、お前があがったのだ。ところで、お前後ろを向いてみろ」

「うしろ?あっうしろ、うしろが視えないんです。私のうしろが視えません」

「うしろが視えないか」

「さようでございます。なぜか体がうしろに向けないのです。前だけ、斜め横と」

「ではうしろにカラダを向けてみよ」

「わ、分かりました。あっ体は前とか、横には向きます。うしろにはなぜか体がいきません」

後ろが人間界。

「そうだ後ろは視えないのだ。分かった。それならいい。後は何か視えるものは無いか」

「みえるもの?みえるもの・・・あっ向こうのそらに、空に、誰かの顔が浮いています」

「顔が浮いている?それはどのような顔だ」

「あっ、どんな顔?少女のような顔でございます。なんか顔だけがにこにこ笑って私を、み視ております」

「それはお前の姪ではないのか、良く視てみよ」

「め、めい、姪ですか?あけみ?あけみ、あけみ・・・ああっ向こうから私を視ています。さ、さようでございます。なんか、ああっ青空の中にポッカリ浮いて私を、私を視て、にこにこ笑って・・・・ああ、あっわたしあああっあちらに走っていきたい、いい、いいでしょうか?」

「おうでは走っていくがいい。もう二度とそこから離れる事はないから、そこで幸せに暮らせ」

「ああっありがとうございます神様・・・・ああっ」



 

空の彼方にポッカリと浮かぶ少女の笑顔。

この大空に映える顔は先にあげた姪御さんだったのである。


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